自宅Webサーバ構築運営ツール D-MyWeb

<導入例>D-MyWeb ver.0.3.1 の場合


■ADSLとD-MyWebでMyWebサーバをたちあげよう!

どのようにしてWebサーバ(MyWebサーバ) をあげているか、簡単に説明いたします。(図1)にMyWebサーバをあげるために設定内容について示します。

図1.Myサーバをあげるためにの設定

 

まず、Webサーバをあげて公開する場合は、

@ルータタイプのADSLモデム(ルータ)の設定を行い、外部から「Myパソコン」にアクセスできるように設定を行う

AWebサーバ(Apacheなど)の導入・設定を行う 

ことが必要です。

さらに、IPアドレスが変わってしまっても外部からアクセスが可能にするためのツール(常駐プログラム)「D−MyWeb」を使う場合は、

BプロバイダなどのWebサーバにホームページを置けるようにする

Cツール(D−MyWeb)を導入・設定を行う

ことが必要です。

では、@〜Cを順に追っていきましょう。

 

 @ルータタイプモデム(ルータ)の設定を行い、外部から「Myパソコン」にアクセスできるように設定を行う

外部から「Myパソコン」にアクセスできるように設定を行います。筆者は、ACCAのルータタイプのADSLモデムを使用しておりますので、このルータタイプのADSLモデムを例にして説明いたします。

ルータタイプのADSLモデムのデフォルトの設定では、インターネット側(外部)から内部のコンピュータにアクセスができないようになっています。

そこで、ルータタイプのADSLモデムにおいて、

(1)公開したいサーバ(Myパソコン)のIPアドレスを設定する (ここでは「Myパソコン」のIPアドレスを、192.168.0.2 とします)

(2)IPマスカレードを有効にする

(3)スタティックIPマスカレード(静的IPマスカレード)で、外部(インターネット側)から「Myパソコン」のWebサーバへアクセスできるようする

といった設定を行い、外部から「Myパソコン」にアクセスできるようにします。

(図2)に、スタティックIPマスカレードの設定例を示します。(図2)は、ルータタイプのモデムの80番ポートにアクセスがきた場合、192.168.0.2 (Myパソコン)にアクセスするように設定した例です。

(図2)の設定例では、ルータタイプのモデムに 202.24.24.24 のIPアドレスが割り当てられた場合、外部から 202.24.24.24 のIPアドレスの80番ポートにアクセスがきた場合、192.168.0.2 (Myパソコン)につながります。

図2.スタティックIPマスカレードの設定例

 

もし、ADSLモデムから直接パソコンに接続されている場合や、ルータをブリッジモードにされている場合は、この設定は不要です。しかし、直接パソコンがインターネットにつながるわけですから、格段のセキュリティ対策が必要です。

 

 AWebサーバ(Apacheなど)の導入・設定を行う 

「Myパソコン」にWebサーバを導入します。Webサーバのソフトウェアとして人気があるのは Apache です。筆者も、ApacheをWebサーバとして導入しています。

Apache はフリーソフトウェアで、さまざまなOSで利用できるようになっています。日本語のApacheのサイトには、http://www.apache.jp/ があり、Windows用のApache は、http://www.apache.jp/dist/httpd/binaries/win32/ にて入手が可能です。

Apache の設定は自由度が高く、ボリュームがありますので、設定方法などは割愛いたします。


(「Myパソコン」におけるApacheの設定例)

 ・IPアドレス 192.168.0.2 (ServerName 192.168.0.2)

 ・Apacheで使用しているポート番号=80 (Port 80)

(Webサーバにアクセスできるかを確認)

例えば、ルータタイプのADSLモデムに 202.24.24.24 のIPアドレスが割り当てられている場合、インターネットに接続した他のPCや携帯電話から、 http://202.24.24.24/ のURLを打ち込み、Apacheで設定したページが表示されればOKです。

 

 BプロバイダなどのWebサーバにホームページを置けるようにする

ここからは、IPアドレスが変わってしまっても外部からアクセスが可能にするためのツール(常駐プログラム)「D−MyWeb」を使う場合の設定です。

筆者は、OCNの「Page On」を利用しております。ここでは、


 ・ホームページのサーバ名 (例:www1.ocn.ne.jp)

 ・ファイルをアップデートするためのFTPのユーザID (例:user_id)

 ・ファイルをアップデートするためのFTPのパスワード (例:********)

 ・表示させるファイルを置くディレクトリ名とファイル名(例:public_html/index.html)

 ・URL (例:http://www1.ocn.ne.jp/~user_id/index.html)

を確認しておく必要があります。これは、D−MyWebの「■Webサーバ設定」や「■転送先の設定」にて入力します。

 

 Cツール(D−MyWeb)を導入・設定を行う

筆者が作成したツール「D−MyWeb」はインターネットで公開しており、最新版は http://www1.ocn.ne.jp/~doishun/soft/ から入手することができます。

D−MyWebを簡単に言えば、テンプレートファイルの文字列を置換して、プロバイダなどにあるWebサーバに、置換したテンプレートファイルをFTPにてアップロードするツールです。

「D−MyWeb」のインストールが完了すると、スタートメニューの「プログラム」→「D-MyWeb」→「D-MyWeb」で起動ができます。起動時に自動的に実行したい場合は、スタートメニューの「プログラム」→「スタートアップ」に「D-MyWeb」をコピーすると便利です。

図3.D−MyWeb「基本設定」画面

(図3)には、D−MyWeb起動時の画面を示します。(図3)の「■Webサーバ設定」では、前項Bのホームページのサーバ名、ユーザID、パスワードを設定します。

また「転送ファイル1」のタグでは、現在のIPアドレスを埋め込んだHTMLファイルを転送するための設定を行います。転送ファイルは1〜3の3つまで指定することができます。(図4)

図4.D−MyWeb「転送ファイル1」画面

 

「■転送元の設定」では、現在割り当てられているグローバルIPアドレスを置換して埋め込むテンプレートファイルを指定します。置換後のテンプレートファイルはプロバイダなどのWebサーバにアップロードされます。

「■転送先の設定」では、プロバイダなどのWebサーバに置くディレクトリ名とファイル名を指定します。IPアドレス(HOSTNAME)や時刻(NOWDTTM)が置換されたテンプレートファイルが、その指定した場所(ファイル名)にアップロードされます。(図4)

テンプレートファイルは、IPアドレスや時刻として置換したい文字列(この場合 HOSTNAME, NOWDTTM)が含まれた(図5)のようなファイルを用意します。

c:\TEMPLATE.HTML (テンプレートファイル)
<html>
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=x-sjis">
<title>D-MyWebサーバー・テンプレートファイル</title>
</head>

<a href="http://HOSTNAME/index.html">MyWebサーバはこちら</a>
<br>
<br>
<br>
最終更新時刻=NOWDTTM

</body>
</html>

図5.テンプレートファイルの例

 

図6.アップロードされたテンプレートファイル

 

(図6)の画面において、ハイパーリンク「MyWebサーバはこちら」は、「Myパソコン」のWebサーバにリンクするようになっています。

このようにして、テンプレートファイルのリンク先が最新のIPアドレスに置換されプロバイダなどのWebサーバにアップロードされるため、割り当てられたグローバルIPアドレスが変わっても、「Myパソコン」のWebサーバにアクセスすることが可能となります。

■おわりに

このような仕組みで、IPアドレスが固定ではないADSLを使っても、Webサーバを構築して公開することができるようになりました。いままでプロバイダの容量が足りなかったり、動画などの大きなサイズのファイルを公開したくてもできなかった方には有効な方式であるといえます。

また、Myパソコンでサーバをあげるため、Webサーバレベルのアクセス制限やアクセス履歴の取得など、これまで通常では自由にできなかったことも可能となります。

ただし、お使いのパソコンが外部からアクセス可能となってしまいますので、セキュリティーには細心の注意を払いましょう。